冒険活劇序章

 ダイヤモンドで出来た家に住みたかったが、高額な上、ダイヤモンドは硬いわけではないという知識を得て、その夢は瓦解した。安心安全のダイヤの家はどこにあるのかなあ、と、それを探しまわるあいだに無駄なことをたくさんしたように思うけれど、何が無駄で何が有用だったのか、いまいち判然としない。たぶん、ダイヤの家なんて欲しがるのがいけないんだろうと思いはするが、やはり硬いなにかが欲しいとも思う。そういった訳で僕は静岡に来ている。バイトで貯めたお金がその基盤である。茶摘の。そう、僕は、お茶っ葉を摘んでみようと思う。見渡すかぎりの緑。山肌を緑色にかえる茶葉。おばあちゃん。ロード・トゥなんなのだろう。まずは、求人からあたってみよう。無ければ目的地は北海道だ。これは忙しくなってきた。

楽天の勝率くらいの可能性で続く)