CutUp Confuse

駅。でかい。電車を待つ俺は明らかに浮かれモード。トイレの場所を車掌に聞く。あれは車掌では恐らくない。隣のボックス席に座っている女がかわいい。あと一欠けらの勇気と首に巻いたネクタイさえなければ。トンネルは非常にこわい。やりきれねぇ気持ちだけ残ってんだよ、といった塩梅で梅田に散在する階段の一つを登る。煙草を買う。ライターも買う。一本取り出して、口に咥える。二ヶ月振りの7ミリは、キディランドの店員に、嫌と拒まれ悲しくなる、シグルイをさがすも何処にもない、カラオケボックスが見つからん、繋いだ手はすぐに湿る、指先に力が入っていないことくらい、俺にも分かる。改札で待つ。一目で分かる。遅刻気味であったが、双方の事であったことが判明、それも運命と感じる浮遊感。地下鉄は好きではない。阪急の場所が分からん。昂揚は積極性を生み、或る職の人間に場所を尋ねる。我ながら格好に似合わぬ慇懃さであったと思い、煙草とライターを、一刻も早く投げ捨てたいと、ゴミ箱をさがす。饒舌は下降線を辿り、想定との差異を感じる。俺は地声でばらの花を唄う。駅のホームで緑茶を買う。思い通りの味といえばそれまで。うまい話は金払わなきゃならん。それでも胃袋はおさまらん。ラーメン屋はこんな日に限って臨時休業しており、なか卯で親子丼とゆずうどんを注文する。インド料理を食べる予定であり、どこであったか記憶を検索する。俺にぞっこんの女がいた。一緒に食べにいった場所を思い出す。その女には彼氏が出来た。俺が想定していた態度は、歯痛で夜眠れぬ。君が好きです付き合って下さい。俺のいう言葉ではない。煮えきらん態度。沸騰する期待感。明かされる秘密。明かす気持ち。夜も明けんとするころ、メールは途絶え、発音の美しさに感嘆する。そう、美しさに感嘆する。約束通りなら、拒まれなかったはずだ。約束通りなら、時間は午後2時30分であったので、うまいこといかねーな、と、美しい女を見ながら思う。細い糸を信じぬく。赤色だったらちょううれしい。煙は、吐き気してならん。