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 連作はmixiでも何度かやったけれど、はてなを通じてとなるとまた意味合いが全然違うなあ。個人的なことを言うとこういう感じをコモンズでは出したかった。何年前の話だってことだし、意味も違うかもだけれど、なんとなく。わたりろうかのパスワードとかどこいったのかな。クールに訊けば教えてくれんのかな。あっこ以外ではCGI更新しかする気がおきないです!以上私信と所信表明。祝文通コーナーサイト化。トラックバックを打つ、とは思うな ただ、これ以上廃れさせてたまるか、と思え。大歓迎週間。聞いて聞いて!アンテナ登録数が19に増えたんだよ!!!!!スゲくね?スゲくね?(後ろ髪だけ茶色に染めながら)

 連作。トラックバック機能というやつを最近使い始めたのでまだ面白くてたまらない時期というか覚えたての中学生カップルというかどんどんしていきたいという気持ちであふれてるこの前向きな気分!光の射す方へ!という訳で連作をはてなの方に書き込む前に自分でやってみたいなと思いました。練習そのものです。僕が書いたものをご覧くださった方が、書いてトラックバック打ってくだされば順番に並べていきます。ありえねーとは思いますが書く順番が被ったらアレアレしいのでコメント欄にでも「書く」とか「野望の王国」とか「今日は焼肉食べすぎてマジ眠くなった。ゼノギアス全然できてねーやべー」とか書いてくださるといいと思います。順番とかmixiの時もレギュレーション作ったけど結局意味ねーのな。まあいいか!!!


 連作:「三の字と僕」

 合宿場の消灯時間は早い。寝る子は育つという言葉を実践しているのかと思う。そういえばジーコはお父さんのようだ。お父さんは今頃ポルトガル語で何やら話しているのだろうか。もしかしたら寂しいひとり遊びに耽っているのかもしれない。きっと、積極的にフリーキックを蹴ることも、そういうことなんだろう。田中誠はそう思う。屋上の給水タンク近くで一人、小野が吸っていたメンソールをふかす。咽る。煙は田中誠の眼前をたゆたい、やがて消える。日本代表は、きっとあと四年もたてばほとんど入れ替わるのだろう。
 大黒と小笠原はUNOをしていた。窓外は暗いが、グラウンドに誰かいることは何となく分かった。やがて二人はスキップだけを出し続ける。片方が出して、もう片方も出す。二人はUNOをしていない。ただスキップのカードが持つ、感触だけ部屋にあればよかったからだ。
 稲本は関西弁を積極的に使った。その方が三の字が聞き取りにくくなるからだ。三の字は何か罵倒されているな、と思い、強くボールを蹴る。足元に来た速いボールをトラップすると、言い知れない恍惚が稲本をつらぬいた。それは三の字の気持ちであり、突っかかるドリブルなのだ。暗いグラウンドで稲本は全て知っていた。大黒と小笠原がローカルルールで淡々と遊んでいることも、田中誠が憧れだけで煙を吸っていることも、三の字が暗いグラウンドで必死に自分を見ていることも、ただ知っていた。
 「なあ三の字、お前の編み込み引っ張らしてーや」
 稲本は三の字のこめかみ辺りに位置する編み込まれた髪を、今引っ張りたかったが、三の字は二十メートルほど先で、ボールをトラップしながら拒絶した。
 じゃあ、と言って稲本は近づいた。三の字はボールに触れることが出来ない。なぜなら、目の前に稲本がいるからだ。稲本の吐息があたたかく感じられるこの夜はまだ肌寒かった。
 噛ましてや。と言うや、稲本は三の字の左耳に右手を伸ばし、抱き寄せるように三の字の編み込みを噛んだ。それは痛みを伴うものではなく、三の字の足元からボールが先も見えず転がっていった。
 田中誠は二本目の煙草に火をつけた。煙が合宿場を覆って、一つになったり息苦しくなったりしている、そういう風に見えた。
 小野が夢を見ている。